私と彼女の歩きかた
どこかに行こうと道を歩く時
自分はゴールを見ながら歩く
彼女は周りを見ながら歩く
些細な違いのように思うけど、このことに、この違いに気づくまでかなりイライラした。
特に到着時間が決まっていて時間的制約があったり、とにかく早く着きたいなと思っていたりする時などは顕著にそれが現れる。
早く行こうと思えば思うほど、ついつい足が早くなり、意識がゴールの方、時間の方に向いてしまう。
無意識に自分の足が早くなって彼女より先行してしまい、ふと振り返ると彼女がいない。
えーって思い、少し戻ると彼女がいる。
どこかのお店のウィンドウ越しに何かを見ていることもある。
道端に変わったものを見つけたようで、写真を撮ろうとしていることもある。
何か想いに耽っているときもある。
後ろの方で、放って置かれたと怒っているときもある。一緒に歩きたいのになんで先に先に行ってしまうんだとと怒っている。
そんなことをしている場合でも、言ってる場合でもなく、早く行こうよと、なんで俺一人がそんなにヤキモキしてるのかと腹立たしく思ったことが何度もあった。
彼女からすると、せっかく歩いているのに周りの色々なものを楽しまないともったいない、そんな風に感じるのであろう。
とにかく、色んなところで足が止まる。
とにかく急かされるのが嫌なようで、時間無いから急ぐよと言うとあまり良い顔をしない。
信号が赤に変わりそうなので、少し急いで渡ろうとするとついてこない。
なんとか渡れた俺を向こう側で眺めている。
急かして渡らせようとすると不機嫌になってくる。
信号如きに急かされるなんて嫌なんだそうだ!(◎_◎;)
こちらからすると、「なんでそんなことにこだわるんだ」と腹立たしく思ったこともある。
とにかく、色んなところに違いがあって、それを理解し、受け入れないと楽しく一緒にはいられない。
これは、歩く時だけじゃなくて、夫婦として一緒に暮らしている以上当然のことだと思う。
だけど、それは我慢なんかじゃなく、いやいや相手に合わせると言うことなんかではなく、違いを受け入れて、相手を理解したら、後はお互い自分勝手にやれば良いってことだと思う。
お互いの不満の大部分は、自分自身の勝手な解釈にすぎないから。
今はまだうまくいかないこともあって、それが原因で喧嘩もするけど、そんな二人の関係になれたら良いなと、最高に楽しく二人で過ごせるなと思う。
歩くことに関しては、
時間の制約も目的地も特になく、のんびりと散歩している時が一番楽しい。
自分の意識も相手や周りの環境に向いていくので、一緒に並んで会話や風景や様々なものを楽しみながら歩くことができる。
頑張って意識をそちらに向けるようにしよう。
二人揃って、時間に遅れたり、目的地に着けないなんてことになるかも知れないけど、まあ、それはそれで良いかといつか思えるかな。
Written by Kenichi Nishimura