違うところがうれしい

確定申告のランナーズハイをじわじわ味わっています。自分を追い込んでいく感じ。間に合うかなぁ、大丈夫かなぁ、ドキドキ。そんな中でも、弥生ソフトで去年使わなかった機能を使っちゃおうと遊園地で乗ったことない乗り物に乗るみたいな感覚で、実は心踊ってます。最終日に溜め込んだ宿題をする感覚は、絶対いやじゃない。このぎりぎりの自分の能力の瀬戸際を転びながら、ひりひり焦りながら走る感覚が好きなんだけど、こんなところでそれを味わわなくていいです。はい、がんばるところ間違ってました。ほんとはもっと早く手をつけるべきでした。ほんとうに。

もっと早くやれば良いじゃん

というのは、1000%誰の目から見ても明らかですが、健一くんは、それをわたしに向かって言いません。同じようなシチュエーションは数えきれないほどありましたが、言われたことがありません。

なんだかんだ言っても、やり始めたら順調に言ってるじゃんとか

間に合わないわけないでしょとか

言って励ましてくれます。

そもそも励ましているつもりがあるかもわかりません。とってもナチュラル〜な感じ。

大昔から、「ほら、だからあれほど言ったでしょう」という言葉を受け取り続けてきたわたしは、自分が言われたくなかったことを子どもには言わないようにこらえる、という選択肢を採用するよう心がけてきましたが(あー、ごめんなさい、時どきポロッと言ってしまってました)そもそも言う選択肢がない人が居るとは思ってもみませんでした。そこが健一くんの天使なところだと思います。

ところで、健一くんが、家に大量のものを持ち帰る時は、とってもおもしろいので、じっくりこっそり観察することにしています。今回も、大きな紙袋何個かを持って帰ることがあって、あれどうするのかなぁと、楽しみに眺めていました。紙袋は大きさも柄も不揃いのあんまり綺麗でないやつでした。最初は、自分のお仕事をするデスクの後ろの壁際にずらっと並べていて、(結構わたしの予想あたった! パチパチ)と思っていたら、数日後に、その部屋のいちばん奥の目立つところにででーんと綺麗に並べ直されていました。(およっ、そこはまったく想定外だった、そこ目立つから置きたくないなぁ)とほんとはやめてほしいオーラを隠そうと努力しながら、なぜそこに移動させたのかわけを尋ねてみました。

特に何にも考えてないけどさ、そっちの方がいいかなと思ったの

と言う、全身から清らかさにあふれた返事が返ってきました。確かに、前の場所はうっすら仕事の時に邪魔だったろうし、移動は自然なチョイスだと思う。かと言って、今度の場所は悪く目立ちすぎる、お部屋の奥のコーナーはお部屋に入ってきた時真っ先に目が行く場所だから、ごちゃごちゃしたもの置きたくないんだよなぁと言うわたしの勝手なロジックにより(いつも勝手なロジックが発動するけど)、今度宅配が大きめの箱で届いたらそれに入れてスッキリ置きたいよね、と言うことになりました。いずれちゃんとしたところにしまっていかないとですが、一旦はこういう避難所的なところがあった方がおうちは散らかりません。

健一くんが自ら紙袋の中身を箱に移してくれて(感激!)空いた紙袋を片づけていたら、ふとデパートの紙袋の美しさに目が止まりました。うっとり見惚れながら、自分のやってること(確定申告がらみの作業)を放って置いて思わずのんびりとコーヒーを淹れ始めていました。(そんな呑気な時じゃないんだけど)

はぁ〜素敵。

写真のチェック柄の方、春夏秋冬どのシーズンに手に取ってもそれぞれのぬくもりと爽やかさを感じるなぁと思うんです。冬なら、顔をうずめたくなるようなあったかいニットの感触を思い、春ならピクニックに行きたくなるようなウキウキする感覚を、夏なら山で遠くの山々の景色を眺めながらお弁当を膝の上で開いてる、秋ならこのチェックみたいなストールを肩にかけておうちで映画見たい…そんなことを想像させてくれる紙袋。

バラの包みの方の模様、決して斬新でもないしレトロならいいという訳ではないけれど、静かに華やかで品があってこう言うの大好き。これにお店で買ったものを入れてもらって、大切におうちに抱えて帰って、家族のみんなの前でお買い物してきたものをパッと広げて見せて、家族に「良いもの見つけたねぇ」と褒められたい。それにこのお花の位置のバランス、わたしなら100年かかっても思いつかない、そんなこと思って写真撮っているうちに午後の柔らかな時間はどんどん過ぎていきました。

それにしても、うちのデパートの袋は細長いのものが多い。これはお酒をしょっちゅう買っている証拠品だと思います。

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