挽いても挽いても、終わらない
今回のコーヒー豆をミルで挽いているときの感想だ。
つやつやピカピカ、黒さが神々しくてまぶしいくらい。
とっても美しくて、なんだかかわいらしく見えてくる。
二人分の豆を20グラム。
はかりで測って、ミルの口からそろりそろりと入れます。
口が狭いので、油断するとぽろぽろこぼれてしまう。だから、ゆっくり。
がりがり、がりがり。
ミルは手動。取っ手をくるくる旋回させて、豆を挽いていきます。
その感触は、豆によってまったく違う。
今回の豆は、ほんとうに軽い。
挽き始めた瞬間、「あれ?もう終わった?」って思うくらい、かる〜い手応え。
なのに、いつまで経っても終わらない。
ごりごりというより、かりかり。そんな感じ。
今日は春風がびゅーっと吹いて、ベランダが気持ちよかったので、外でしばらく挽いていました。
普段はのぞかないんだけど、さすがに長すぎてミルの中をちらり。
…まだある。
目を閉じて、ぐるぐるぐるぐる回していたら、なんだか瞑想してるみたいで気持ちよくなって
気がついたらミルの頭がぽこんと外れて、粉がばふっと飛び散っていました。
でもだいじょうぶだよ、うちには、すごいやつがいるから。
先月買った掃除機登場だ!と、ちょっと嬉しくなって、ちゃーーーっと粉を吸い込んで。
ごめんね、粉。こぼしちゃって。でも吸うのも、ちょっと楽しいんだ。
京都には、自家焙煎のコーヒー屋さんがたくさんあります。
そして、どこもほんとうにおいしい。
最初の頃は、あちこち買いに行っていたけれど
今は、決まったところにだけ行ってる。
なぜかって?
たぶん、オーナーだと思うんだけど、そのお店の兄さんが、いいんです。
ちょっとキョドってるのに、「いつもありがとうございます!」って毎回ちゃんと声をかけてくれて、
豆の準備はすごくマイペース。
それもまた、なんだかいい。
ついつい、「今飲むやつも頼んじゃおうか…」ってなることもしばしば。
もちろん、肝心の豆もわたしたちの好みにぴったりで、
だからまたここで、次の一杯を挽こうって思うのです。
粉に変身した豆をペーパーに移してお湯を注ぐと
ふわぁっと香りが立ちのぼってきて、
立ち上がるあの香ばしくてやわらかい匂いに、思わずうっとり。
…でも今日は、断食の日なんだった。
ぐぅ〜っとお腹が鳴った。
飲むのはもう少しあとにしよう。
でも、香りだけでもちょっと満たされるって、いいな。