うなぎがとろけた日

昨日は、ネオンきらめく梅田で息子とお寿司デートだった。彼の子供時代から学生時代にかけて、さんざん怒り、けんかばかりしていたので、せめて今は「いいお母さん」だと思われたいあまり、回らないお寿司やさんを予約した。事前にオンラインでコースをオーダーし、息子に予約のリンクを送った。当日は、朝目が覚めた瞬間から、

あー、楽しみだなぁ、今日のデート

と20時を心待ちにしていた。

何度も何度も時計を見ながら、あと何時間だと計算していた。

それにしても、なぜにあんなに、

勉強しろ、きちんとやれと

言い続けてしまったんだろう…

自分の不安からだったのか、息子を信頼できていなかったからなのか。とんでもない、ひとり火曜サスペンス、間抜け祭りだったと思う。今や、息子はわたしの何万倍もいい感じの大人に成長している。

仕事から帰ると全力でゲームする息子を眺める当たり前の日常が、当然だけど、今はもうなくて、死ぬまであと何回こうして一緒に食事ができるんだろうかと毎回ハグして別れた後に、涙があふれそうになる。これまでの人生の選択に基本後悔はないけれど、唯一もっと息子と仲良くすればよかったというのが後悔かもしれない。

あっ!なくなった、うなぎが…

食べてみて!

カウンター席で隣にいる息子が慌てて言った。

わたしもひとくちでパクりと食べると

うなぎがとけた…なくなった。

今日の読書会で読む尹雄大さんの本は

読んだはしから、頭と身体の中にとけて染み込んでいく…そんな文章で作られている。

昨日のうなぎのような本だと思った。

わたしがこれまでの人生かけてずっと考えていたことを言葉にしてくれたような、

わたしの語彙よりも、遥かに緻密で深淵なのだけど、でも、それそれ!そう思ってた、ずっとそう感じていた。誰かにわかってもらえた瞬間の安堵感に身体が満たされていく。

この説明じゃ、まあわからないと思う。笑

だから読んでみてほしい。

Kindleでも買えるので、まだ参加も間に合うので。今日初参加の方も何人かいらっしゃるので、初めての方も参加しやすいと思います。

もし参加されなくても、気になった方には読んでほしい本。

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誤魔化すのがたいへんだった

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