雪の国に来ました
見上げると、墨色の空から
スローモーションを見ているように
羽のように 花びらのように 次から次へと舞い落りてくる
すべての音を 静けさで飲み込みながら ふわりふわりと降り積もる
凍った風が レースのように すーっと通り過ぎる
お湯からもわもわと立ちのぼる湯気に包まれて 降る雪を見つめた
振り返ると 何人かの人が お風呂の中で ひとつの音も立てずに 雪を見つめていた
夜降りしきる雪は せつなくて 胸が締めつけられる
わたしはこんな人とか
わたしはこんなことがニガテとか
勝手に自分で決めつけた都合とか情報が いっぱいあったけれど
もうすべてが雪の下 見えなくなっちゃったよ
新しい年のわたしに こんばんは